マキネッタの抽出後の残渣(コーヒー粕)が泥状になる原因考察!

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マキネッタの抽出残渣 マキネッタ
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マキネッタについて以下のご質問をいただきました。

ご質問者様
ご質問者様

マキネッタで淹れるコーヒーについて、教えて下さい。

抽出後のコーヒーケーキが、固体の塊になるときと、柔らかく泥のようにくずれてしまうときがあります。もう何年も使っているのに理由がまだ分かりません。

コーヒー粉の細かさ、量、詰め方、のどれが影響しているのでしょうか? また、どういう場合に塊あるいは泥のようになるんでしょうか?

参考になることがあれば教えていただけるとうれしいです。

マキネッタのコーヒー大好きな僕が、この質問の解に思い当たる点がありますので回答いたします。

マキネッタの抽出成否と残渣の状態

抽出後の残渣が泥のようにくずれる状態とは、残渣に水分が多く染み込んでいる状態と考えられます。

抽出の機構を思い出すと、

①貯水槽内の水が過熱により水蒸気に変化
②貯水槽内の水蒸気が増えて、圧力が高くなる
③水蒸気の圧力で水が押し出されて、充填層のコーヒー粉を通過
④充填層を通過した抽出液は、貯水槽上部のコーヒーをためるポットに到達

といった順番になります。

ここで④において、抽出液の一部がコーヒーをためるポットに到達せずに逆流してしまうと、充填層内のコーヒー粉に染み込み、結果として泥状の残渣となる可能性があります。

では次に、どのような原因で抽出液が逆流するのかを考えてみます。

充填層内の粉の状態

質問者様もご指摘のように、充填層内の粉の状態によっては抽出液量が変化する可能性があります。

充填層はそこを通過する水に対しての抵抗となりますので、これらの要素を一定とすることで安定した抽出量となり、逆流するにしても一定量に抑えられると考えられます。

抽出後の余熱による蒸気発生の影響

抽出開始から完了までの音に注目すると、以下の過程をたどることになります。

ゴポゴポという音がしてきて、抽出開始。
②ゴポゴポという音が激しくなる。ほぼ抽出終了。
③音がゴポゴポからブシューッに変わる。抽出完了。
④音がブシューッからスーッ、スーッに変わる

ここで③で火からおろし、すぐにコーヒーをカップに注いだとすると、貯水槽はまだ沸騰中の温度のままとなるため、余熱により水蒸気が発生し続けます。
この水蒸気が、通常は抽出液が通過する垂直管を上昇し、外に抜けることでブシューとかスーッ、スーッという音を生じていると考えています。

もし、マキネッタが火から離された後に、部屋の温度で急激に冷えた場合、発生した水蒸気は垂直管を上昇するよりも早く凝縮し、充填層の粉に逆流することとなります。
これが充填層の残渣を泥状にする原因と考えられます。

僕の場合は、泥状の残渣はほとんど見たことがありません。(使い始めの頃に何回かあったかも)
上記の音の過程のうち、④の後で火を止めるのですが、その後、コンロから離してすぐにコーヒーを飲むことにはしていません。
スーッ、スーッという音も止まって、完全に蒸気の発生が落ち着いた後で、カップに注ぐようにしています。

これにより、コーヒーのたまる層内は抽出されたコーヒー自体の温度で保温され、垂直管を上昇する蒸気があっても、蒸気を凝縮させることなく外に抜けていきます。
その後、貯水槽からの蒸気の発生が止まると、蒸気の凝縮に伴う逆流の可能性はなくなりますので、残渣が泥状となることはないのだと考えております。(なぜ泥状になるとか考えたこともなかったですが、必死に想像しましたw)

マキネッタの残渣を泥状にしないためのコツのまとめ

以下に注意すれば、残渣が泥状になることは少なくなると思います。

・充填層の条件(粉の粗さ、量、詰め方など)は毎回同じにする。

・抽出後の蒸気が冷えて逆流しないように、蒸気の発生が止まるまで待つ。

以下の写真は、個人的に抽出がうまくいったと感じた時の充填層に残る残渣の様子です。
泥状ではなく、完全にドライではないですが、うっすらとしっとりした感じです。
この後は堆肥用の袋にぶち込まれますw

マキネッタの抽出残渣

以下の記事ではマキネッタで美味しいコーヒーをいれるコツを紹介しております。
ついでに是非ご覧ください。

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コメント

  1. パパング♂ より:

    「お湯の逆流じゃないでしょう!」の立場でコメントします。
    カップにそそぐとき直管は水平以上の傾きになるため、逆流すべきコーヒーが残らないからです。
    そこで「柔らかく泥のようにくずれてしまうとき」のことを考えてみます。
    紙を使わないという観点から30年電動エスプレッソマシン(デロンギ・デバイススタイル・サエコ)を使っています。ビアレッティのマキネッタは従兄の香典返しです。構造は同じで上からお湯がでるか、下から上がってくるかですが、決定的な差は湯温と水圧にあります。マキネッタをエスプレッソ(特急)と呼ばないのは遅いからだと思います。もう一つ、エスプレッソは粉をタンパで押し、世界大会の職人技でも重要な要件となっています、一方マキネッタは「押すな」と書いてあります。
    この高温・高圧のエスプレッソマシンでも泥状になることがあります。原因は各機種共通で、フィルタ詰まりでした。フィルタの全穴を通してコーヒーが上がる(下がる)のではなく、通りやすいところだけを通ってしまうので水分が残るのです。盲点はフィルタが上下にあることです。湯の入り側(マキネッタなら下)も意外とつまり、湯は通りやすいところを狙って通っていると考えます。最悪乾いた粉が残ったことも。対策はフィルタのつまりを取ればよいだけですが、穴が小さいので厄介です。私はステンレス製魚串でやっています。デロンギの電動マシンはメンテナンスを考慮してボルトで湯の入側のフィルタが外せるので、光に透かすことができ便利ですが、ビアレッティのマキネッタはこれができないので、水を満タンにして、フィルタを静かにかぶせ、水の湧き具合で判断します。周囲は詰まっていなくても湧きが少ないので、こちらはすべて順につつきます。上側(コーヒー抽出側)は順にすべて突くか、パッキンをはずすかですが、外すときにパッキンに微かな傷でもつけたくないのでパッキン交換時以外は順につついています。イタリアでもポッドが多く売られていましたが、フィルタ詰まりを回避するにはこれが最適解かもしれません。
    他に検討する点として、粉の挽き方があります。ブレード(プロペラ)式の電動ミルは微粉が出やすいので避けた方がよいと思います。硬いカスや泥濘カスが出たりでなかったりするのは案外これが原因かもしれません。手動はしんどいので個包装ポッドの誘惑もありますが、私はカリタの喫茶店にあるようなカッティングミルにしています。(昭和の製品 いつかはディティング)ミルが重いので5日分250gをいっぺんに挽くと初日と5日目で湯の通り方が異なります。やはり5日目は微粉が多いのだと思います。
    以上から
    1.フィルタの清掃
    2.挽き方の検討
    3.火力(極弱火)
    をお勧めします。
    そろそろビアレッティが日本の五徳に合うモカ・エクスプレスを作ってくれないかなと思います。スモウ・モカとか。でっちり仕様とか。
    サイフォン(アルコール・ガス直火)、ペーパードリップ、ネルドリップ、コーヒープレス、よそ様宅でコーヒーメーカー、電動エスプレッソマシン、ベトナムコーヒー(購入・自作)など試しましたが、マキネッタが一番弄り甲斐のあるものだと思っています。
    「日帰りバスツアー」の記事からたどりました。お礼まで。

    • shide-ceru より:

      パパング様

      コメントありがとうございます。
      逆流に対する考察、興味深く読ませていただきました。

      エスプレッソマシーンの例を記載いただき、詰まりにより均等流れが阻害されることで、水分が残りやすい部分と、そうでない部分が生じるとのことで、確かにそれもあるかもと感じました。
      マキネッタしか持っていないので比較できないのですが、私の実績ではマキネッタのフィルタの閉塞はこれまで確認できておらず、抽出後の残渣は均等な濡れ具合となっていました。

      記事内では、以下の仮定で考察しています。
      ・抽出後の高温環境が継続している
      ・つまり、抽出後にコーヒーをカップに注いだ後も、水の蒸発は継続
      ・すなわち、コーヒーを系外に出すために水平よりも傾けて、一度垂直管内の残液を全量排出するも、その後に蒸発、凝縮した水が残る
      ・この水が逆流の原因と推定

      フィルタ閉塞以外での推定原因としては、やはり上記が想定されます。

      おそらく使用環境により原因はいろいろあるのだろうと推察します。

      日本オリジナルのマキネッタ、発売したら欲しいですね!

      バスツアーの件、あれは地獄でした。
      金払って、セールスショーを強制的に見せられるとは・・・

      今後もブログ更新を続けて参りますので、また読んでいただけると嬉しいです!

      以上
      シデより

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