「マキネッタ、美味しくない」で検索してこの記事にたどり着く方が多いようです。
せっかく美味しいコーヒーを期待してマキネッタを購入されたのに、美味しくないんじゃ悲しいですよね。
でも、それにはきっと理由があると思いますよ。
なにせ僕は、自宅で手軽に濃厚なコーヒーを作ることが出来るビアレッティ製のマキネッタ「モカエキスプレス」を使うようになってから、うちで作るコーヒーよりもおいしいコーヒーには出会っていません。
マキネッタでおいしいコーヒーをいれるコツ
これまで、より美味しくコーヒーをいれるために試行錯誤したことがいくつかあります。
これはマキネッタでコーヒーを淹れる人にとっては当たり前かもしれませんが、マキネッタ特有の方法もあり、慣れるまで難しいものです。
なんとなく自分なりの解を見つけましたので、ここで紹介したいと思います。
①おすすめのコーヒー豆
豆の種類の他、焙煎の度合いによっても出来上がるコーヒーの味は変わります。
豆は値段がピンキリで、こだわればいくらでもお金がかかりますので、あまり金額を気にせずコーヒーを飲めるように、安めの豆を買っています。
残るは焙煎具合ですが、これは好みによります。
僕の場合は深煎りの豆を使う事が多いです。
出来上がりは苦めに仕上がり、酸味とかコクとかは薄くなってしまうこともありますので、好みに合わせて浅煎りをミックスするとか。
色々試行錯誤しながら、お気に入りのオリジナルブレンドを作り出すのも楽しいです。
いつもコーヒー豆を買うお店はお気に入りコーヒー豆のお店「フレッシュロースター珈琲問屋」をご紹介!の記事に書きました。
②コーヒー豆の鮮度
焙煎後のコーヒー豆は非常にいいニオイがします。
しかし、焙煎後にあまりに時間が経つとそのニオイが飛んでしまい、せっかくモカエキスプレスで高温、高圧抽出しても物足りない感じがします。
使用するコーヒー豆は、焙煎してからあまり時間が経っていない方が望ましいです。
よくコーヒー豆を買う店では、注文してから生豆を焙煎してくれるため、焙煎したての美味しいコーヒーを味わうことができると感じています。
③コーヒー豆の保存方法
コーヒーのニオイが飛ぶ原因は、香り成分が揮発することだと考えています。
揮発しにくくするためには、常温よりも低温の環境が良いと考え、コーヒー豆は冷蔵庫保存としています。
もっと低温の冷凍庫のほうがいいんじゃないかって?
そうかもしれませんね。
僕んちは冷蔵庫の方がスペースが空いているので、冷蔵庫止まりとなっています。
④コーヒー豆の挽きの荒さ
コーヒー豆を挽いた粉の状態で販売していることがあります。
粉にしてしまうと豆よりも表面積が増加し、ニオイが飛びやすくなると考えられますので、僕んちでは豆を買い、コーヒーを淹れる直前にコーヒーメーカー付属の電動ミルで豆を挽いています。
粉の荒さを調整する機能はありませんが、カッターにより豆を破砕するタイプのミルなので、この破砕時間を長くすることで、なるべく細かい粉になるようにしています。
モカエキスプレスの抽出は短時間で行われます。
この短い時間に粉を通過するお湯になるべくコーヒーの美味しいところを抽出してもらうためにも、粉は細かく表面積を大きくし、湯と粉の接触機会を増やすのが重要と考えています。
⑤粉の充填
ごく細かく挽いた粉は、吹けば飛ぶような状態です。
これをモカエキスプレスに充填する際に、こぼさないようにするのも大事ですが、充填後に粉の層を押しつぶさないことも重要です。
粉が細かいと押せば押すほどどんどんつぶれて、粉の層の厚みは薄くなり圧縮された状態となります。
圧縮された粉の層を湯が通過することを考えると、湯は粉の層の中でも通過しやすいところを優先して通過するようになります。
粉全体に湯が行き渡らないため、せっかくのコーヒーのおいしい成分を抽出し損ねることになります。
粉は決して押しつぶさず、充填後はとんとんと充填層を軽く叩いて、粉の表面をならす程度にしましょう。
湯が粉の層全体を満遍なく通過できるように、粉の層の抵抗を均一にフワフワにするイメージです。
抽出の成否は、抽出後の粉の層の表面を観察することでも確認できます。
粉の表面が滑らかで整っていれば、粉全体を湯が均一に通過したと言えるでしょう。
表面がボコボコで一部に穴が空いたり、粉の層が割れたりしている場合は、湯がそこから多く通過してしまい、抽出が偏っていることが想定されます。
コーヒーの味と抽出後の見た目の関係で、どうすれば美味しくなるか試してみてください。
以下の写真は抽出後に開封したもので、粉の層が割れることなく均一に抽出されて、おいしくコーヒーが出来上がった時のものです。
たまに、抽出後の粉が水分を多く含んで泥のようになってしまうこともあります。
原因が気になる方は、マキネッタの抽出後の残渣(コーヒー粕)が泥状になる原因とは?お湯の逆流でしょう!の記事を確認してみてください。
⑥粉充填後の本体締め込みの強さ
粉を充填後に、本体の締め込み操作があります。
この時の締め込み強さがコーヒーの味にも影響を与えていると考えています。
僕と嫁さんがそれぞれコーヒーを作ったときに、量、味に違いがあることに気付きました。
強く締めこんだ場合、
締め込み部の隙間が小さく、貯水槽の圧力が上昇しやすくなる。より沸点の高い湯で抽出可能となる。
締め込みが弱い場合、
締め込み部に隙間が生じ、貯水槽の圧力が上がりにくい。
強く締めこんだ場合より沸点が低くなり、抽出温度が下がる。
貯水槽の圧力が低いと、抽出層を湯が通過する際の押し込みの力が小さくなるため、湯の通過量が減少し出来上がりのコーヒー量も少なくなる。
弱すぎると、隙間から漏れることもあるらしい。熱くて危ない。
気持ち強めに締めるといいと思います。
あんまり強く締めすぎると、次回緩めるのが大変ですので。
より詳細な説明はマキネッタの抽出量が安定しないときに気を付けたいことを紹介!の記事に書きました。
⑦火加減
説明書でも記載がありますが、モカエキスプレスは基本的に弱火での抽出が指定されています。
火が強過ぎると、貯水槽の水が一気に沸騰し、圧力が急上昇して本体設置の安全弁が吹き出すでしょう。
僕も何度かこの安全弁から
ピーーーィッ!!
という高温とともに蒸気が出たことがあります。
やばいと思ったら、火を止めましょう。
基本的に説明書の指示に従い弱火での加熱としていますが、抽出を待っていると長く感じるものです。
一気に沸騰するのが危険と理解しているので、僕の場合は沸騰する温度に加熱されるまでの時間を短縮するために初めは中火とし、抽出が開始された後は最も弱火としています。
この方法は時間短縮と共に、ゆっくりと湯を通過させることで抽出自体はじっくりと行い、コーヒーの美味しさをなるべく引き出そうという狙いがあります。
豆によって最適な温度、圧力があるようなので、色々試してみるのが良いでしょう。
⑧お湯割り
モカエキスプレスで淹れたコーヒーは、とても濃厚で味わい深いものです。
しかしながら、焙煎時間の長い豆の場合、とっても苦い場合があります。
それはそれで美味しいのですが、気になるような場合はお湯割りにするのがお勧めです。
薄めたらドリップコーヒーと同じになっちゃうじゃん、意味ないよ、と思う向きには、以下を試していただけるとご理解いただけるでしょう。
①ドリップコーヒーを淹れる。
②抽出されるコーヒーを全体抽出量の中で初期、中期、後期に分けておく。
③それぞれの味を試し、どれが美味しいか試してみる。最後に全部混ぜて飲んでみる。
恐らく、後期のものは非常にまずいでしょう。
中期のものが美味しいかもしれません。
全部混ぜたやつはいつもの味になるでしょうが、初期、中期の方が美味しいと感じるでしょう。
モカエキスプレスの抽出に使用される湯量は、ドリップコーヒーの半分くらいです。
美味しいところだけを抽出していることになります。
ドリップコーヒーの抽出後半は、二番煎じのようなイメージでしょうか。
モカエキスプレスで作ったコーヒーのお湯割り、お勧めです。
お湯割りだけではなく、氷を入れるとアイスコーヒーにもなります。
コップいっぱいに氷をいれておいて、そこに出来立てのコーヒーを注ぐと、一気にキンキンに冷えて、濃いめのアイスコーヒーが出来上がりです。
夏はこのアイスコーヒーが最高です。
暑い夏にピッタリなコーヒー豆 炭焼きアイスコーヒーの記事でも紹介しています。
⑨本体のケア
非常に簡単です。
僕んちでは面倒くさがって、次回使うまで放置しています。
使うときにサッと水で流すだけです。
ものの10秒くらい。
濡れたまま放置したらカビが、、、と思っていましたが、密閉されているから大丈夫なのか、粉のところにカビが生えたことはありません。
ただしコーヒーを飲んだ後に、抽出後の余熱で水が出てくることがあるので、その量が多いと乾燥せずカビてしまう可能性があります。
梅雨時は特に危ないので、冷えたら洗ってひっくり返して水気を取るのが良いでしょう。
使い込むほどに本体にコーヒーの油とか細かい粉とかが付着して、本体自体にニオイがしみこみ、黒くすすけてきます。
こりゃ、ススワタリが出たな
とおばあちゃんに言われても、それでいいのです。
マックロクロスケ出ておいでー!!!!
と奇声を上げたことはありませんが、ここには出ないでしょう。
決して洗剤で洗ってはいけません。
これが美味しいコーヒーの秘訣のようです。
このモカエキスプレスを知るきっかけをくれたイタリア人のナランチャも言っていました。
絶対洗剤で洗うんじゃない、と。
一度、コーヒーの感動を伝えようと嫁さんの実家にモカエキスプレスを持っていき、コーヒーを振舞った際に、嫁さんのお母様が本体を洗剤で洗おうとしているのを見つけて、必死に止めたものです。
あの時はスーパーサイヤ人になりかけました。
以上、数年間モカエキスプレスを使用して感じた美味しいコーヒーを淹れるコツのようなものを紹介しました。
マキネッタでおいしいコーヒーのいれるコツのまとめ
・自分の好みの豆を見つけよう
・コーヒー豆は焙煎直後のものを選ぼう
・コーヒーは粉ではなく豆で買おう
・焙煎後のコーヒーは冷蔵しよう
・コーヒー豆は細かく挽こう
・粉の充填はフワフワにしよう
・本体はしっかり締めよう
・火加減で味が変わるかも
・濃すぎて飲めない人はお湯割りも美味しいよ
・手入れは水洗いだけにしてマックロクロスケを呼びこもう
とにかくモカエキスプレス、おすすめです。
カフェとか店で頼むコーヒーよりも、自分でドリップコーヒーを淹れるよりも、断然美味しいです。
あとこれで作るコーヒーは、コーヒーじゃなくてモカというそうですよ。
このマキネッタを教えてくれたイタリア人のナランチャもモカって言ってました。
僕がマキネッタを知るきっかけとなった出来事はマキネッタで美味しいエスプレッソを作ろう!昇天しそうないい香りに感動する直火式エスプレッソメーカー「ビアレッティモカエキスプレス」の紹介の記事をご覧ください。
上記記事を読んで実際に購入に踏み切られた方々からの喜びの声もいただいております。
モカエキスプレス最高(*´ω`)まるで丸山珈琲のお店でコーヒーを飲んでいる感覚が自宅で簡単に味わえる!
直火式エスプレッソメーカー(マキネッタ)を買って変わったこと
ガスコンロで使用する場合は、五徳に安定して乗せるための金属製サポート用リングもありますので合わせて購入すると便利です。
おすすめ記事
いつもFRESH ROASTER珈琲問屋 楽天市場店で豆を注文しています。
夏は炭焼きアイスコーヒーで楽しみます。
バニラアイスにモカをかけるとすんごい美味しいです。
作者プロフィールもご覧いただくと、どんな奴が書いているか分かりますよ。
記事一覧も是非!我々夫婦の執念がこもった記事が盛りだくさんです。
コメント
3月18日付「昇天しそうないい香り!〜」の記事に魅了され、ビアレッティのヴィーナス2カップ用を買って半年になります。その節は素晴らしい記事をありがとうございました。おかげさまで美味しいコーヒーを毎日楽しんでおります。
今回の淹れ方の詳しい記事も非常に参考になりました。火加減の工夫が特に…
実は熱湯沸かしてあちち!となりながらセットして弱火という流れでやってたもので、シデさまの中火→弱火のやり方になるほど〜と思いました。馬鹿ですね、わたし…。゚(゚´ω`゚)゚。
ところで消耗品のゴムパッキンはどうされてますか?
ウチはまだ買わなくても大丈夫だったのですが、念のため購入しました。ただ、ゴムパッキンのみ売ってるところが少ない上サイズピッタリなものが見つからず、やむなくフィルターもセットされてるものを買いました。パッキンだけ売ってくれればいいのに…
しかも届いたらサイズが微妙に合わず、カッターで切り落として無理矢理サイズを合わせるという体たらく。゚(゚´ω`゚)゚。なんとかなりましたが…
それでは今後もシデさま&セルリアンさまの記事の更新、楽しみにしております!
甘酒様
シデです。お久しぶりです。
最初から湯を入れる方法は時間短縮になるかもしれませんが、本体が熱くなるので締め付けが困難そうですね。ちょっと怖くて真似できません。
パッキンについては、僕のところはまだ大丈夫そうです。ステンレスのヴィーナスとアルミのモカエキスプレスは微妙にパッキンサイズが異なるようですね。今後、パッキン購入時は、ビアレッティのHPを確認しサイズに気を付けたいと思います。
ナランチャが言っていましたが、大事なこととして
・絶対洗剤で洗うな
・パッキン劣化を防ぐために、最初の水張りは必ず安全弁より下にせい
というものがありました。
水を安全弁より上まで入れると、その分の水が抽出層を通過するまでの間に貯水タンクが意図しない圧力上昇が起こり、より沸点が高温となって、パッキンの想定設計温度を超過しパッキン劣化が早まるのではと考えております。何事にも理由があるなあと感じ、これを厳守しております。
また体験談などありましたら是非共有させてください。
いつも記事をご覧いただきありがとうございます。