「つみたて投資の終わり方(カン・チュンド著)」を読んだ感想・レビュー  取り崩し方法の解説が最高に分かりやすい!

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つみたて投資の終わり方 書評
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「つみたて投資の終わり方(カン・チュンド著)」を読みました。

著者のカン・チュンドさんは、「投資信託クリニック代表 インデックス投資アドバイザー」という肩書を持ち、インデックス投資に特化した資産運用、ポートフォリオ構築に関する相談業務を仕事としている方です。

そんなエキスパートの考える取り崩し方法とは、とても気になりますよね。

読んでみると、

・100年生きても大丈夫!

・人生後半に向けた投資信託の取り崩しメソッドを解説!

の副題にもあるように、つみたて投資で資産を形成した後で、どのように資産を取り崩すかに重点を置いている今までにない本でした。

本ブログ「シデとセルリアンの節約blog」では、夫婦でブログを書いており、普段は節約家計管理投資に取り組む様子を紹介しています。

この記事は夫のシデが書いています。

取り崩し方法については、ぼんやりと考えていたのですが、この本のおかげで考え方に筋が一本通ったような気がします。

取り崩し方法は管理しやすくシンプルにすること

本で推奨される取り崩し方法をまとめると、以下のようになります。

  • 管理しやすいように投資信託を一本にまとめる
  • 定額ではなく定率取り崩しが有利
  • 取り崩し時に資産割合を都度調整することでリスク許容度を維持する
  • 取り崩しで売却するだけでなく、リスク、無リスク間でのスイング(買い替え)を継続する

管理しやすいように投資信託を一本にまとめる

つみたて投資を長く続けた結果、以下の理由から投資信託が複数になる可能性があります。

・その時の流行り

・投資方針の変更

・信託報酬の低下に伴うつみたて対象投資信託の乗換

・一時的な心変わり(アクティブファンド、個別株に手を出す)

これは資産形成中はしょうがないですよね。

でも、その後の管理がしやすい(取り崩し時の計算がしやすい)ように、投資信託を1本にまとめようというアイディアが紹介されています。

これはその通りだと思います。

でも、今の血気盛んな資産形成中の自分からしてみると、利益が乗った投信をいったん売って一本に集約することは、利益の20%分の税金を支払う、すなわち身を削るような行為に他なりません。

これまで絶対税金払わない税金繰り延べマンを貫いてきた人は、この方針に特に抵抗を覚えるでしょう。

でも、資産を取り崩すような年齢において正常な判断を何歳まで継続できるかを考えると、たくさんの投信を手元に残すのは必ずしも良い事とは限りません。

僕はこの部分で一番悩んでいます。

税金つらい

定額ではなく定率取り崩しが有利

本の中では具体的な計算と共に、わかりやすく定率取り崩しの優位性を解説してくれています。

知らない方はこれだけでも読む価値あり

僕のこれまでの理解では、投資信託の口数をベースに残った口数に対して定率で取り崩すことを想定していましたが、その時の金額で定率で取り崩すというアイディアが紹介されていました。

その時の投資信託の評価額ベースとなるので、年一回の取り崩しだとしても毎年取り崩す金額が変わることになります。

でも、相場がいい時もあれば悪い時もあるし、そのでっこみひっこみで平均したら、必要な額は取り崩し出来るよね、という主張でした。

こればかりは相場次第で、相場が悪い時には取り崩しが進むにつれてだんだん総資産が減少し、定率で取り崩しできる額も減っていくことになります。

この点は、加齢とともに消費金額は減る傾向にあるという話を思い出して、ちょうどいいように感じました。

手元に得られる金額が少ない時にはそれなりに、多い時には次の年のために少し取っておいて、それなりに暮らせばよいです。

以前、定率取り崩しシミュレーションをしてみた時には、一本の投資信託ベースでやっていました。

インデックス投資でアーリーリタイア可能か?ファンドの定率取り崩しシミュレーション

金額の定率というアイディアを知っていれば、複数の投資信託があっても取り崩しは可能だと思うので、また別途計算してみたいです。

取り崩し時に資産割合を都度調整することでリスク許容度を維持する

加齢とともにリスク許容度を小さくすることを推奨する本を読んだことがあります。

確か「貧乏人のデイトレ」という本

上記の本では100ー年齢の数値でリスク資産の割合を決定すると、リスク許容度がだんだん小さくなって年齢に適したイイ感じになる、と書いていたと記憶しています。

カンさんの本では、取り崩し時期でも適切なリスク許容度を保つという前提で、この割合を一定に保つことを推奨していました。

リスク資産の割合が少な過ぎると、減りにくいけど増えにくいことになり、取り崩し額とのバランス次第ですがどんどんと資産が目減りしてしまうことにつながります。

資産の増減が気にならない程度に、枕を高くして眠れる程度にリスク許容度を調整し、リスク資産の割合をずっと一定のままに取り崩す、リスク資産と付き合い続けるという主張に、非常に共感しました。

取り崩しで売却するだけでなく、リスク、無リスク間でのスイング(買い替え)を継続する

これも自分でシミュレーションした時の前提条件としていました。

投資信託を売って現金を得るだけではなく、リバランスも一緒にやって、時には投資信託を買い足すということです。

相場が悪い時にはリスク資産が減ってリバランスのために買い足す方向なので、口数が復活し、その後の上昇相場で資産が増えやすく(長期的には減りにくく)なります。

これも納得。

ほかの人が同じことを言ってくれると安心します。

自分のシミュレーションでは毎月売買していましたが、年一回でも十分ですね。

毎月計算するの面倒だし。

感想

つみたてることに慣れた人は、資産形成後にどのように取り崩すかも気になると思います。

取り崩しについての説明を紹介している本は、これまで以下の二冊しか知りませんでした。

定額で取り崩すに決まってるじゃん、という方はカンさんの本を読むと考えが変わるかもしれません。

カンさんの本は取り崩しの方法を非常に分かりやすく、しかもなるべく簡単に実行できるように解説しています。

気になる方は是非、チェック!!

参考に、以下に目次を掲載します。


<目次>
はじめに
序章 ~資産を長持ちさせる~

第1章 リタイア近辺、ふたつの症例
老後のスイッチをONにする
生涯投資 = 積立期 + 取崩し期
積立のマインドを思い起こす
増やす率と取り崩す率を同じに

第2章 誰にも訪れるXデー(退職の日)
支出のメリハリを付ける
老後は投資が侵食しやすくなる
リタイア直前に暴落が発生したら?

第3章 リタイア前のラスト5年を準備期間に
安全資産とリスク資産に区分け
リスク資産の割合を下げる
高配当株戦略は有効なのか?
ファンド売却益に対する税金について

第4章 準備期間中に投資信託を1本化
内側のリ・バランス、外側のリ・バランス
全世界株式インデックスファンドに1本化する
バランスファンドに1本化する
投資信託の任意解約にトライする

第5章 NGな取り崩し法とは?
定額の取り崩しはお勧めしません
定額取り崩しシミュレーション

第6章 簡易版・定率取り崩し
投資信託からの定率取り崩しのみ

第7章 トータル資産からの定率取り崩し
気持ちのブロックを取り除く
臨時の取り崩しについて

安全資産とリスク資産が行き来する
取り崩し2つのパターン
マイナスの年も取り崩しを止めません

第8章 お勧めのポートフォリオ4つのパターン
取り崩し率は3%を推奨

第9章 インフレ率の影響
リタイア時にいくら資産が必要?
取り崩し率を下げられる条件とは?

第10章 リスク資産をグループ化

終章 ~資産にマウントされないように~

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作者プロフィールもご覧いただくと、どんな奴が書いているか分かりますよ。

普段は節約家計管理投資に真面目に取り組んでいます。

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