高齢者の割合と共に認知症の方が増加していくとされる日本ですが、皆さんの周りには認知症の方はいるでしょうか。
僕の身内だと、祖母と母が認知症です。
認知症の方と接する機会がある方は分かると思いますが、対応に慣れていないとかなりストレスを感じるものです。
「マンガでわかる!認知症の人が見ている世界3」は、認知症の経過、症状の紹介だけではなく、具体的な対応例がたくさん載っており、かなり参考になる本です。
ゲームの攻略本を読んでいるような感覚に似ており、先が見通せるようになり、不安が小さくなります。
これだけで介護する人は大分気持ちが楽になるのではないでしょうか。
「シデとセルリアンの節約blog」では、夫婦でブログを書いており、普段は節約、家計管理、投資に取り組む様子を紹介しています。
特に家計簿に自信あり!
この記事は夫のシデが書いています。
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この記事の著者
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シデ(@shidebu3)
プロフィール
就職してから18年以上にわたりずっと家計簿をつけています。好きなことはゲーム、家計管理、節約、インデックス投資、アクアリウム、バスケ。日々、楽しく生きるために考え中。セルリアンが妻です。
プロフィール詳細
認知症の経過、進行度が理解できる
以下の段階で認知症の進行度が紹介されています。
具体的な症状の記載もあり、対象者がどの段階なのかが分かりやすいです。
発症前、軽度認知障害
短期記憶の苦手が起こる。
物の置き忘れやしまい忘れが増える。
言葉が出ず「アレ」「ソレ」が増える。
初めて行った場所で道に迷ったり、日付や曜日を間違えたりする。
初期
記憶障害の影響で妄想や家事の失敗が増加。
最近、最近の出来事を忘れてしまう。
同じ物を買ってきたり、レジでまごついたりする。
鍋を焦がす。
物とられ妄想や嫉妬妄想、被害妄想が起こる。
中期
症状が進み自立した生活が困難になって閉じこもりがちになる。
今、話したことを忘れる。
季節に合った服装を選ぶのが苦手になる。
閉じこもりになったり生活が昼夜逆転したりする。
夕暮れ症候群やせん妄が起こりやすくなる。
後期
聞き取りや発話が苦手になり運動機能も低下。
ボタンがかけられず着替えが苦手になる。
言葉の理解が苦手になり暴言、暴力などが起こる。
トイレの失敗が増える。
認知症の症状は、不安→不満→不信→不穏のステップで進行する
以下の順番で認知症の症状が悪化すると紹介されています。
- 不安: 記憶障害のために何かがおかしいと感じて不安になる
- 不満: 不安に対して適切な対応がなされないと不満になる
- 不信: 不満の結果、周囲に不信を抱く
- 不穏: 不信感から、暴力、暴言、介護への抵抗を伴う不穏になる
意味不明の行動と断じるのではなく、理由があって症状が出ているだけと理解すれば、どのステップなのか見極めて対応することもできそうですね。
認知症の前段階の軽度認知障害になっても、生活改善に取り組めば4割が現状維持か回復できる
認知機能が低下すると、やがて認知症の前段階である軽度認知障害になるそうです。
その後、半数が5年以内に認知症を発症するとのこと。
これを予防するために生活の改善に取り組めば、何と4割が現状維持か健常な状態に戻れるそうです。
これを知って対応するかどうかで、その後の苦労がだいぶ軽減されそうですよね。
以下の予防方法が有効だと紹介されていました。
- 良質な睡眠
- バランスのいい食生活
- 有酸素運動
- 人とのコミュニケーション
これらは、健常な人にとっても健康維持に欠かせない要素だと感じます。
認知症の症状に合わせた先回りケアは介護を楽にする
先回りケアとは、起こる症状を事前に予測して心構えをしたり対策を講じたりすること、と紹介されています。
先回りケアにより、認知症の方やその家族も混乱せず、精神的、身体的な介護の負担が大幅に軽減するだけでなく、症状の進行も遅くなるなど、いいことが多いそうです。
認知症の進行度ごとに具体的な症例が示され、先回りケアをしなかった場合とした場合の様子がマンガで紹介されており、とても分かりやすいです。
自分が経験したことだと、「あるあるwww」とうなずけますし、知らないことだと「こんなこともあるんだ」とその苦労を想像してしまいます。
中でも特に難易度が高そうだと思ったのは、認知症後期の症例でトイレの失敗を隠していたもの。
便を漏らした後で不快感から下着を脱ぐのはいいのですが、漏らしたことと下着を汚したことを隠そうとタンスにしまい込むという事例です。
認知症の本人にとっては自分に起きた問題にバッチリ対処したつもりでいるのですが、それ以外の家族はたまらないことでしょう。
まだ床や壁に便を塗ったり、便を食べたりしないだけマシという感じです。
この事例の先回りケアは、以下のように紹介されていました。
- 汚れた下着を隠していたことから、認知症の本人に羞恥心や失敗を隠そうとする判断力が残っていると考えられ、喜ばしいことである。
- 感情的にならず、冷静に対応する。
- 排便後の汚れが肌に付いたままの可能性があり、尿路感染症の危険がある。入浴時に清潔にしたり、清潔が保たれているか確認する必要がある。
- 介護のストレスが辛い場合は、一時的に介護を休むために施設を利用したり、これを機会に施設入所も検討する。
同様の事象が起きた時、自分は冷静に対応できるでしょうか。
知っているか知らないかで、心の動揺具合がかなり違うと思います。
認知症の人との関わりを自分の実例で紹介
夫シデの経験をいくつか紹介します。
認知症の祖母への対応
祖母は認知症の中期と思われます。
短期記憶に障害がありますが、身体活動には問題ありません。
僕と会うと、いつの間にこんなに大きくなったと言い、時間感覚が消失しているようです。
僕の兄弟が連れてきた子ども、すなわち祖母にとってのひ孫は可愛いという感情はありますが、誰が誰なのかは把握できていません。
祖母の家には、同居するおじの配慮でたくさんの張り紙がされており、〇〇は何もしなくてよい、〇曜日は休み、○○はどこそこ、など、頻繁に聞かれる質問への対応がされている状況です。
何度も同じ会話をするのにうまく合わせられず、祖母の表情が暗くなった時のエピソードです。
何度も仕事の状況を聞かれ、何度も同じ回答をしていたら、こちらがイラついてしまい「おばあちゃん、もう5回目だよ!」と強く言ってしまいました。
何度でも合わせて同じ会話をするか、または違う話題に切り替えればよかったです。
認知症の母への対応
母は認知症の中期と後期の間くらいだと思われます。
普段は介護施設に入居しており、日曜日だけ家に戻り父と過ごしています。
座っていることが多く、活動がほぼありません。
ほぼ無表情であり、たまに笑いますが表情の変化が非常に乏しいです。
話しかけても聞き取れていないのか、反応がない場合もあります。
長い会話になると、会話のラリーは難しい状況です。
短い言葉ではっきりと話しかけると、応答があります。
孫の名前を覚えられず、会うたびに質問してきます。
腰が曲がっており、歩行速度が非常に遅いです。
膝を深く曲げる動作はほぼ不可能であり、しゃがむ必要のある和式トイレは使えません。
おむつをしており、たまにおしっこが間に合わず失敗します。
食べ物に対する執着が非常に強く、目の前に食べ物があるとずっと食べ続けます。
必ずひと口で食べようとするため、大きな食べ物の塊は容易にのどに詰まらせます。
食事の際は他の者が張り付き、食べ物が適切な大きさであるか、のどに詰まらせていないか見張る必要があります。
ここ数年で一気に老人感が増してきて、祖母よりもおばあちゃんに見えます。
母の強烈なエピソードとしては二つ思い浮かびます。
まだ母が施設に入居する前のことです。
父がいない時間帯に1人で過ごしていた母は、コインランドリーに出かけて、そこに置いてある利用者用の本を盗んできたのでした。
仕事中の僕の携帯電話あてに警察から電話があり、それを知った僕は、恥ずかしいやら情けないやら、どうしようもない歯がゆさでみじめな気持ちになりながら謝りました。
その後、実家のそばに住む兄弟に電話をして引き取り対応をお願いするなど、母が1人で暮らすことが難しい段階にあることを感じたのでした。
金の管理はできないとみなして一銭も渡していない中、何か欲しいという意思だけはあり、自由に侵入できる場所で手に取れるものは盗んでくる状況です。
他にはスーパーやいろんな施設のトイレットペーパー、洗剤なども持って帰っていました。
これに対する対策は、張り付いているか、その都度ダメだよと言って聞かせるくらいしか今でも思いつきません。
もう一つは、母がどこからか灰皿の中の湿ったシケモクを拾ってきてフライパンであぶったり、外で天日干しして乾燥させていた現場に出くわしたことです。
部屋中がタバコくさく換気扇がフル稼働する中、たまたま帰省した僕を見た母は、シケモクを戸棚の下に隠すのでした。
もともと母は喫煙習慣がありましたので、金がない状況でタバコを吸おうとしたらシケモクを乾燥させて吸うことを思いついたのでしょう。
この対策はタバコを与えておくことですが、火の不始末による火事の懸念もあり、なかなか実行できなかったと感じます。
ちなみに、祖母や母にも有効な対策としては、孫、ひ孫に会わせることが挙げられます。
子どもがいるだけで笑顔になりますし、不毛な会話の繰り返しもなくなります。
すべての意識を子どもに持っていかれて、僕がいないのと同じに感じるほどですw
祖母や母は幸せそうですが、でもやっぱり会話したくても意思疎通が簡単ではない状況というのは非常につらいものがあります・・・
認知症とうまく付き合ってストレスを減らそう
高齢化が進み早死にする人が減ると、認知症になってしまう人も多くなることでしょう。
認知症になってしまうのはしょうがないと考え、認知症の症状にどう対応するかが認知症本人にも、介護者にとっても重要です。
認知症を憎んでも何も解決しないし、後悔してもしょうがないので、今後の身体的、精神的な疲労をお互いに軽減するために全力を尽くすべきです。
多くの症例がマンガで紹介されており、先回りケアの有無による心労や後々の症状の変化が理解できて、今まさに認知症の人を介護している者にとっては救いを感じられると思います。
前作の「マンガでわかる!認知症の人が見ている世界」の1、2も読んだことがあり、続きの3も非常に楽しく読むことができました。
マンガでわかる認知症の人が見ている世界
— シデa.k.a.603号室でロックマン攻略中 (@shidebu3) July 16, 2023
すごい良かった。
義務教育で扱うべき内容
認知症を扱う家族の何が起こるかわからない不安、失望を和らげてくれる。
攻略本みたいで先読みできて、面倒見始めのイライラが減らせそう。
認知症でも感情、尊厳は残るので、バカにせず傷つけない応対が重要 pic.twitter.com/xNT36CWnri
もっと早くこの本に出会えていれば、祖母や母ともっと有意義に過ごせたかと思うと悔しい気持ちもあります。
認知症の介護で悩んでいる人だけでなく、全ての人に読んでほしい本です。
マジおすすめです。
あなたは認知症の人とのエピソードはありますか?
自分が認知症になった時のことを想像して、配偶者に優しくしておきたいと思ったことはありますかw
コメント欄やSNS引用でぜひ教えてください。
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