インデックス投資信者の皆さん、老後資産の準備はバッチリですか?
僕は数字が苦手なので、いくらあればいいのか考えれば考えるほど分からなくなりましたw
老後の資産形成のためにインデックス投資を採用している方は多いと思いますが、もし十分な金額が準備できた暁には、その資産が減らないように何とか維持したくなるのではないでしょうか。
この記事では全世界株式のインデックスファンドで投資をした後に、60、70、80、90才でリスクの低い保守的な資産割合に変更した場合の100才における破綻確率、資産中央値の変化について検証した結果を紹介します。
リターン、リスクって何かしらという方は、無職の僕がデイトレードで気軽に稼いでいると親に誤解されたのでインデックス投資家として全力否定したら親もインデックス投資を始めた話で紹介していますので、ぜひご覧ください。
どんな資産割合で投資をするべきか知りたい方は、全世界株式(オルカン)のリターンを過剰に見過ぎていないか確認!長期間データを見たらフルインベストメントして破綻確率を下げたくなった話をご覧ください。
「シデとセルリアンの節約blog」では、夫婦でブログを書いており、普段は節約、家計管理、投資に取り組む様子を紹介しています。
特に家計簿に自信あり!
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この記事の著者
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就職してから18年以上にわたりずっと家計簿をつけています。好きなことはゲーム、家計管理、節約、インデックス投資、アクアリウム、バスケ。日々、楽しく生きるために考え中。セルリアンが妻です。
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資産割合を変更しなかったときの破綻確率と資産中央値
これから資産割合を低リスクで保守的なものに変更する話をするのですが、その前に条件を整理します。
資産割合を変更する前のシミュレーション条件
全世界株式(オルカン)のリターンを過剰に見過ぎていないか確認!長期間データを見たらフルインベストメントして破綻確率を下げたくなった話で紹介した条件とほぼ同じです。
- 40才から開始
- 子どもなし、夫婦2人暮らし
- 40才時の年間生活費240万円
- 40才時の総資産は年間生活費の25倍。すなわち6000万円
- 47才まで240万円の労働収入あり
- 65才から年間220万円の年金受け取り
- 臨時出費は5年ごとに100万円
- 75才からレジャー費なし(40歳時96万円/年)
- 85才で介護施設費用3000万円
- インフレ率2%/年
- 資産割合はリスク資産100、90、80、70%
- リスク資産は全世界株式インデックスとし、リターン、リスクはMSCIベース
- 試行回数は1ケース当たり5000回
シミュレーションに使用したのは自分で作ったシミュレーターです。
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資産割合を変更しなかった時のシミュレーション結果
一回も資産割合を変更せずに上記の条件でシミュレーションをしたときの、100才の破綻確率と資産中央値について表にまとめました。
この記事ではリスク資産100%、すなわちリターン7%、リスク20%のシミュレーションをベースにして、後述する変更を加えていきます。
リスク資産割合, % | 100 | 90 | 80 | 70 |
リターン, % | 7.0 | 6.3 | 5.6 | 5.1 |
リスク, % | 20.0 | 18.0 | 16.0 | 14.0 |
100才破綻確率, % | 32.0 | 32.9 | 34.0 | 38.1 |
100才資産中央値, 万円 | 33,243 | 24,538 | 15,740 | 9,448 |
資産割合を低リスクに変更したときの破綻確率と資産中央値
上述した前提条件から低リスクの資産割合に変更することでどんな影響があるのでしょうか。
変更する条件を以下に示します。
資産割合を低リスクで保守的なものに変更
リスクが低く保守的な資産割合とか言葉でいうのは簡単ですが、曖昧でよく分かりません。
この記事では資産に対する全世界株式(オルカン)インデックスと現金の割合を変化させたときのリターン、リスクを求めて、今後の検討に使用します。
下表のとおりとしました。
リスクが下がればリターンも下がる傾向です。
リスク資産 割合, % | 無リスク資産 割合, % | リターン , % | リスク , % |
100 | 0 | 7.0 | 20.0 |
90 | 10 | 6.3 | 18.0 |
80 | 20 | 5.6 | 16.0 |
70 | 30 | 5.1 | 14.0 |
60 | 40 | 4.3 | 12.0 |
50 | 50 | 3.6 | 10.0 |
40 | 60 | 2.9 | 8.0 |
30 | 70 | 2.2 | 6.0 |
資産割合を変更するタイミング
前提となるシミュレーションでは40才から100才まで一定の資産割合を使用していました。
ここでは、20年後となる60才を始めとして、70、80、90才で資産割合を変更することにします。
変更後はそのままの資産割合で100才までシミュレーションを進めます。
資産割合をした時のシミュレーション結果
100才破綻確率
各年齢で資産割合を変更したときの100才破綻確率を下表にまとめました。
その下にグラフを示します。
変更後の リターン、リスク | 60才 変更 | 70才 変更 | 80才 変更 | 90才 変更 |
リターン6.3%、 リスク18% | 33.4 | 32.3 | 33.2 | 31.9 |
リターン5.6%、 リスク16% | 33.2 | 31.2 | 32.5 | 33.2 |
リターン5.1%、 リスク14% | 33.7 | 33.4 | 32.7 | 32.5 |
リターン4.3%、 リスク12% | 34.0 | 33.5 | 32.2 | 32.4 |
リターン3.6%、 リスク10% | 34.7 | 33.1 | 33.1 | 32.7 |
リターン2.9%、 リスク8% | 36.9 | 34.5 | 34.8 | 33.5 |
リターン2.2%、 リスク6% | 38.9 | 35.3 | 33.2 | 32.5 |
資産割合を変更しなかったときに32%だった破綻確率は、変更後にちょっとだけ上がりました。
特に60才という早い時期に低リスクの資産割合に変更した場合には、破綻確率が40%くらいまで上昇しています。
100才に向けて生活費がまだまだ必要な時期に、リスクと共にリターンを下げ過ぎてしまう資産割合に変更すると、インフレ率2%という条件に負けて破綻に向かいやすくなるのでしょう。
これ以外の条件では破綻確率は2~3%程度の上昇(32→34~35%)にとどまりました。
破綻しやすくなりますが、この程度であれば許容できるということであれば、低リスクの資産割合に変更することは悪くない気がします。
低リスクだと資産の振れ幅が小さくなって暴落しにくくなるのが良いですよね。
特に高齢期でまだ判断力が残っているかもしれない70、80才くらいに資産の値動きが激しいと、生きた心地がしないかもしれませんねw
判断力がなくなれば暴落しても何も感じないので問題ありませんが、ボケた上に金もないとなると大問題ですw
せめて介護費用くらいは残しておきたいところです。
次に介護費用の出所となる気になる資産変化を見ていきましょう。
100才資産中央値
各年齢で資産割合を変更したときの100才資産中央値(万円)を下表にまとめました。
その下にグラフを示します。
変更後の リターン、リスク | 60才 変更 | 70才 変更 | 80才 変更 | 90才 変更 |
リターン6.3%、 リスク18% | 25,483 | 29,790 | 27,674 | 30,598 |
リターン5.6%、 リスク16% | 25,087 | 28,952 | 29,701 | 29,678 |
リターン5.1%、 リスク14% | 20,433 | 24,935 | 28,716 | 29,520 |
リターン4.3%、 リスク12% | 17,195 | 21,158 | 26,247 | 27,294 |
リターン3.6%、 リスク10% | 14,678 | 17,543 | 21,401 | 27,582 |
リターン2.9%、 リスク8% | 10,233 | 14,764 | 17,153 | 23,037 |
リターン2.2%、 リスク6% | 6,944 | 13,442 | 16,538 | 22,052 |
資産割合を変更しなかったときに33,243万円だった資産中央値は、変更後に結構下がりました。
年齢が若いうちに低リスク、低リターンの資産割合に変更すると、ガクッと資産が減少します。
ガクッと減っても、100才で何千万円も何億円もあるなら別にいいだろと思うかもしれません。
でも残念ながらこの金額は中央値なので、全体の半分よりも運が悪いとお金が足りなくなることもありえます。
例えば60才でリターン2.2%、リスク6%に変更した場合の下位25~30位(1000ケースの中で700~749番目)の資産推移は下図のようになります。
85才の介護施設費3000万円で一気に破綻していますw
運悪く中央値に入れなくても大丈夫なようにしておくためには、あまりにも早い時期に低リスク、低リターンの資産割合に変更することは避けた方が良いでしょう。
資産が老後に暴落しないように適切な時期に低リスクの資産割合に変更しよう
老後資産を準備した後の、低リスク、低リターンの資産割合への変更タイミングについて考えてみました。
老後資産を維持するために、インフレに負けないようなリターンがほしい一方で、リターンとセットで登場するリスクが大きすぎると資産の振れ幅も大きくなります。
ある程度のリスクを受け入れて資産運用を続けた結果、資産が乱高下しながらも老後に運よく増えたならば、後はその資産が暴落にさらされて不必要に減少しないように、適切な資産割合に変更することが重要です。
ただし、変更タイミング、変更度合は人に寄ります。
暴落を怖がって若いうちに変更したり、低リスク過ぎる資産割合に変更したりすると、リターンも下がってしまい、お金があまり減らないけれどもそれほど増えなくなって、生活費が足りなくなります。
万人に対してちょうど良いリターン、リスクは僕には分かりません。
人によって必要と考える生活費や、収入、ライフプランが異なるため、それに合わせた資産運用が求められるからです。
こればかりはご自分の条件で検証しなければ見えてきません。
僕の場合は、判断力がまだ残っていると思われる70才まではリスク資産100%、すなわちリターン7%、リスク20%の運用を目標とし、70才になった時の資産額で以下のアクションを取ろうと考えています。
十分に資産が築けた場合: 低リスク、低リターンの資産割合に変更し、暴落を避けながらdie with zeroを目指して資産を使い切る。
十分に資産が築けなかった場合: 高リスク、高リターンの資産割合のままとし、いつかお金が増えればいいなと思いながら働いて日銭を得る。
資産中央値は資産平均値よりかなり低い傾向ですが、「平均への回帰」とかいってなんやかんやで結局平均値に近づいていくという現象が心がキレイな者にだけ訪れると聞いたことがあります。
資産の平均値と中央値の差は、年齢を重ねるほどに開いていき、2倍とか3倍とかにまで膨らみます。
「平均への回帰」に少しでも近づけるように、心をキレイにしておく必要がありますね!
「100マイナス年齢」の数字をリスク資産の割合とするとちょうど良いと書いてある本もありました。
でも前提として、その年齢まで十分に長期投資を続けて十分に資産を築いておく必要があるでしょう。
十分な資産が築けたならば低リターンの資産運用でもやっていける、と言っているだけに感じますw
とにかく100マイナス年齢でやっているだけでは、なかなか増えない状況もあるでしょう。
若いうちになるべくリスク資産を多めに持っておいて、審判の日となる70才までにベースとなる資産を築く必要がありそうです。
さて、ここまで読んだ方はご理解いただけたと思いますが、この記事を読んでも自分の結論に結びつけることは難しいでしょう。
ご自分の資産割合がどんなリターン、リスクに相当していて、それが長期的にどんな結果をもたらすのかご存知ですか?
今の生活のままで老後の資産が十分に準備できるか、あらかじめ判断できますか?
ご自分の今の資産、リターン、リスクのデータだけあってもよく分からないままですが、ライフプランシミュレーションに適用することで、自分に合った条件が見つかるでしょう。
まだ確認したことがない方は、ライフプランシミュレーションで確認してみましょう。
厳しめのライフプランシミュレーション!投資リターンにリスク(標準偏差)を考慮しFIRE実現可能性、破綻確率を把握しよう!にて使い方を紹介しています。
あなたの必要な老後資産は十分に準備出来そうですか?
老後になっても資産運用を継続しますか?
コメント欄やSNS引用でぜひ教えてください。
「シデとセルリアンの節約blog」では、夫婦でブログを書いており、普段は節約、家計管理、投資に取り組む様子を紹介しています。
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お問合せいただいた際にはブログ記事にする形でお返事いたします。
お返事の記事の例は、家計管理、資産管理のうまい方法は何か?自分に合う方法を見つけ出せるまで試行錯誤しようなどをご覧ください。
お待ちしております!
インデックス投資を始めるのが不安な方はFPに無料で相談することも可能
インデックス投資は自分のリスク許容度を把握しながら長期間のスパンで行えば、結構いい感じに資産が増える可能性が高いと考えています。
絶対に増えると言い切れないのが難しいところですね。
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